最近、あるホテルが宴会場の改装を行っているという話を聞いた。
それも、絨毯や壁紙等ではなく、なんと、ホワイエや廊下部分を潰して面積を拡大する工事ということだ。
今の時期に改装の費用を捻出できることも驚きだが、宴会場をより大きくする工事とは恐れ入った。
現在のコロナ禍にあって、様々な形態の宿泊施設であれ、またどのエリアの施設であれ、同様に営業不振に陥っている。
その中で順番を付けるのも難しいが、まずは国内需要による観光地の宿泊やレストランのランチなどはまだしも期待できるが、宴会ビジネスが最後となるのではないだろうか。
あの「桜を見る会」のような大人数でのいわゆる宴会やパーティのマーケットは消滅した。
また、シティホテルやビジネスホテルにおける国内のビジネス需要も心配だ。
リモートワークが浸透したのはいいとしても、反面、出張などの必要性も見直され、ビジネスマーケットも変わってしまった。
インバウンドマーケットはさらに遅れる、大阪万博にはという願いも叶うか。
宴会部門も往時のような宴会ビジネスが戻るとは到底考えられず、件のホテルの改装の意図が全く分からない。
宿泊部門も宴会部門もマーケットが変質してしまい、これまでの営業理論や常識も役立たなくなるのではないか。
今後のマーケティングはその変質したマーケットにいかに対応するかが課題となる。