2月5日に驚愕のニュースが業界を震わせた。プリンスホテルやゴルフ場・スキー場など50施設以上を所有する西武ホールディングスが、そのうち30施設をシンガポールの政府系ファンドに売却するというニュースだった。調達金額は1500憶円。
ニュースによればもともとはすべての施設の売却を試みたようだが、すべてはファンド側のお眼鏡には敵わなかったというわけか。
ゴルフ場やスキー場はさておき、ホテルだけを見ても往時にはおそらく60施設くらいはチェーン展開していたし、海外にもプリンスブランドのホテルがあった。
その後の紆余曲折の後、西武HDとしては不採算の施設などを売却したのではあるが、ホテルチェーンとしては新規開業もあり、ある程度は順調だったはずだ。
それがコロナ禍での営業不振からついには資金繰りに苦慮したのか30施設の売却となった。
コロナ禍対策としてホテルについては2020年にはいち早く完全休業を決めたり、2021年には人件費の大胆なカットも実施していた西武HDであったが、残る選択肢は売却だけだったのか。
運営はプリンスホテルが行うということだが、西武HDとしては残ったホテルをどうするのか。
なぜ、ファンドがそれらを買わなかったのか。運営の難しい状態が続く中、今後の西武HDの動きに注目したい。